労働基準法では、給与を日割りで計算する際の具体的なルールは設けられていません。そのため、どのように日割り計算を行うかは、各企業が就業規則や賃金規程などで定める必要があります。実務においては、以下のような日割計算の方法が多く用いられています。
【例1】 暦日を基にした算定方式(暦日数方式)
その月に存在する日数(30日や31日など)を基準とし、在籍した日数に応じて金額を割り出す方法です。
この手法は、入社・退職などで月の途中から勤務した場合によく用いられます。
計算式:支給額 = 月給 ÷ その月の日数 × 在籍日数(30日や31日など)
【例2】その月の勤務予定日数を基準とする方式(当月の所定労働日数方式)
会社が定めたその月の労働日(営業日など)を基準に日額を算出し、実際に勤務した日数に応じて支給額を計算する方法です。
この方式では休日を含まないため、1日あたりの金額が高くなりがちです。欠勤控除や部分勤務の精算時によく使われます。
計算式:月給 ÷ その月の所定労働日数 × 実際に働いた日数
【例3】月平均所定労働日数を用いる方法(月の平均所定労働日数方式)
年間の所定労働日数を12か月で割り、「1か月あたりの平均労働日数」として扱い、日割額を算出する方法です。
この方式は、月ごとの労働日数の差による支給額の変動を避けたい場合に適しています。年間の労働日数が確定していれば、毎月の計算が一定となり、手続きも簡単です。
計算式:月平均所定労働日数= 年間の所定労働日数 ÷ 12
支給額 = 月給 ÷ 月平均労働日数 × 実働日数
具体例
【条件】
・月給額(基本給):300,000円
・対象月:4月(暦日数:30日、所定労働日数:20日)
・年間の総所定労働日数:246日
・状況:4月11日入社、4月30日まで勤務(この期間の実労働日数:18日、暦日数(在籍日数):20日)
【例1】支給額=300,000円÷30日=10,000円/日×20日=200,000円
【例2】支給額=300,000円÷20日=15,000円/日×18日=270,000円
【例3】月平均所定労働日数=246日÷12か月=20.5日/月
支給額=350,000円÷20.5日=17,073.円/日×18日=146,342円(端数切り上げの場合)
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