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2026年4月以降、被扶養者認定の取扱いはどう変わる?
~ 130万円の壁と社会保険のポイントをわかりやすく解説 ~

公開日:2026/5/25  更新日:2026/5/25

パートやアルバイトで働く方からよく聞かれるのが、「130万円の壁」という言葉です。

「少し収入が増えたら、すぐ扶養から外れるの?」「扶養に入れるかどうかの考え方は変わるの?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

20264月以降は、被扶養者認定における年間収入の見方について、新しい取扱いが始まります。これまでよりも、労働契約の内容をもとに年間収入を見込みやすくなり、扶養に入れるかどうかの見通しを立てやすくなるのが大きなポイントです。

この記事では、まず20264月以降の変更点を確認したうえで、130万円の壁の基本、106万円の壁との違い、扶養から外れるとどうなるのか、会社が気をつけたいポイントまで、わかりやすく整理して解説します。

まず押さえたい 20264月以降の変更点

202641日以降に認定される被扶養者については、労働契約の内容によって年間収入が基準額未満であることが明らかな場合、労働条件通知書などの内容をもとに年間収入を判断する取扱いが適用されます。厚生労働省のQ&Aでは、この見直しの趣旨を「被扶養者認定の予見可能性を高めるため」と説明しています。

 

■ 主なポイントは、次のとおりです

労働条件通知書などで確認できる時給・労働時間・日数等をもとに、年間収入の見込みを算出できる

労働契約の段階で見込みにくい時間外労働の賃金などの「臨時収入」は、年間収入に含めない取扱いが示されている

労働契約の内容だけで年間収入を判断できない場合は、従来どおり給与明細書や課税証明書などで判断する

この取扱いは、認定日が202641日以降のものに適用される

 

つまり、雇用契約書や労働条件通知書などをもとに、扶養に入れるかどうかを判断しやすくなる、というイメージです。

ただし、書面にそう書いてあれば必ず扶養に入れる、という意味ではありません。契約内容と実際の働き方が大きくずれている場合は、実態も踏まえて確認されます。

 

 NEW 【重要】「給与収入のみである」旨の本人申立てが必要です

今回の新しい取扱い(労働契約の内容にもとづく判定)を受けるためには、労働条件通知書などの提出にあわせて、認定対象者本人による「給与収入のみである」旨の申立て(申立書)が必要となります。

また、給与以外に次のような収入がある方は、今回の新しい取扱いの対象外となり、従来どおり収入証明書などで判定されます。

年金収入(老齢年金・障害年金・遺族年金 など)

事業収入(個人事業主・フリーランス など)

●不動産収入 など、給与以外の継続的な収入

 

これまでの取扱いと、20264月以降の取扱いの違い

【要確認】 契約内容だけでは判定できないケース

「労働契約の内容で判定する」といっても、すべての契約書がそのまま使えるわけではありません。次のようなケースは契約内容だけでは年間収入を見込めず、従来どおり給与明細書や課税証明書などで判定されることになります。

 

■ 従来どおりの判定(収入証明書など)になる主なケース

シフト制で、労働時間や労働日数の記載が不明確な場合

認定日から起算して、契約期間が1年に満たない場合

「通勤手当 有」と記載されているが、手当の金額が不明確な場合

●その他、時給・労働時間・日数等の必要事項が確認できない場合

そもそも130万円の壁とは?

130万円の壁とは、社会保険の扶養に入れるかどうかの目安になる収入基準のことです。

一般に、年間収入が130万円以上と見込まれると、配偶者や親などの健康保険の扶養から外れる可能性があります。60歳以上の方や一定の障害がある方は180万円未満が基準です。

さらに、19歳以上23歳未満の被扶養者(配偶者を除く)は、2025101日から150万円未満に見直されています。

ここでいう「扶養」は、税金の扶養とは別です。

そのため、「税金では大きな影響がなくても、社会保険では扶養から外れる」ということがあります。

130万円を超えるとどうなる?

年間収入が130万円以上になる見込みがあると、原則として家族の扶養から外れ、自分で社会保険に入る必要が出てきます。

勤務先で社会保険に加入する場合もあれば、勤務先で加入できない場合には国民健康保険と国民年金に入ることになります。

 

■ 扶養から外れると、主に次のような変化があります

社会保険料の負担が発生する

手取りが思ったほど増えないことがある

勤務先の社会保険、または国民健康保険・国民年金に加入することになる

 

ただし、社会保険に加入することは負担が増えるだけではありません。

厚生年金に加入すると、将来受け取る年金が上乗せされる可能性がある

健康保険に加入すると、傷病手当金や出産手当金などの対象になることがある

 

そのため、単純に「損」「得」だけでなく、将来の保障も含めて考えることが大切です。

106万円の壁との違いは?

130万円の壁とあわせて知っておきたいのが、106万円の壁です。

こちらは、一定の条件を満たした短時間労働者が、勤務先の社会保険に加入する基準として使われる言い方です。

厚生労働省の案内では、20264月現在、従業員数が51人以上の企業等で、一定の要件を満たすパート・アルバイトなどが対象とされています。

 

■ 主な確認ポイント

20時間以上働く

学生ではない

2か月を超えて雇用される見込みがある

20264月現在、主に従業員数51人以上の企業等で働いている

所定内賃金が月額8.8万円以上

厚生労働省は202610月に賃金要件の撤廃予定も案内しています。

 

つまり、130万円になる前でも、勤務先や働き方によっては先に社会保険に加入することがあるということです。

実際には、130万円だけでなく、勤務先の規模や週の労働時間もあわせて確認する必要があります。

【掛け持ちの方は要注意】 複数事業所で働く場合の取扱い

複数の勤務先で働いている方の場合、被扶養者認定はどのように判断されるのでしょうか。

■ 基本的な考え方

  すべての勤務先の労働条件通知書等を提出する

  それらをすべて合算した金額で、年間収入を判定する

 

  どれか1つの勤務先でも契約内容で判定できない書類(:シフト制で不明確)があった場合は、全体として従来どおりの判定(収入証明書等での確認)となる

一時的に130万円を超えても、すぐ扶養から外れないことがある

人手不足による労働時間の延長などで、一時的に収入が増えて年収130万円以上となった場合には、事業主がその旨を証明することで、原則として連続2回まで引き続き被扶養者認定を受けられる取扱いがあります。

■ ただし、次の点には注意が必要です

  事業主の証明があれば必ず扶養に入れる、という意味ではない

  雇用契約書などを踏まえ、年間収入の見込みが恒常的に130万円以上となることが明らかな場合は、被扶養者に該当しなくなる

  最終的な判断は、加入している健康保険組合や協会けんぽなどが行う

 

そのため、「少し超えたけれど一時的だから大丈夫」と自己判断せず、会社や保険者に確認することが大切です。

19歳以上23歳未満の子どもの扶養は注意

19歳以上23歳未満の被扶養者については、2025101日から年間収入要件が130万円未満ではなく150万円未満に見直されています。これは配偶者以外の被扶養者が対象です。

ただし、年齢だけで自動的に扶養に入れるわけではありません。

引き続き、次のような要件の確認が必要です。

  同居・別居の状況

  生計維持関係

  収入以外の被扶養者要件

 

学生の子どもを扶養している家庭では、従来の130万円基準のままで考えてしまうと誤解が生じやすいため、注意が必要です。

会社が注意したいポイント

会社としてまず大切なのは、本人が扶養の範囲で働きたいのか、それとも社会保険に加入してしっかり働きたいのかを早めに確認することです。勤務時間やシフトを増やした結果、本人が思っていた以上に社会保険の影響を受けることもあるためです。

■ 実務では、次のような点を整理しておくと安心です

  雇用契約書や労働条件通知書の内容

  週所定労働時間

  月額賃金

  繁忙期の残業やシフト増の見込み

  勤務先の企業規模

  扶養内勤務を希望しているか

  社会保険加入を前提に働きたいか

  一時的な収入増の場合、事業主証明が必要か

  契約内容と実際の働き方にズレがないか

 

20264月以降は、契約内容をもとに年間収入を見込む取扱いが明確になるため、契約書の内容と実態が合っていることがこれまで以上に重要になります。

 

 NEW 【人事ご担当者様へ】 契約更新・条件変更時にやるべきこと

新しい取扱いに対応するうえで、人事ご担当者様にとって特に注意していただきたいのが、契約更新時・条件変更時の書類管理です。

■ ポイント

  時給や労働日数に変動がない単なる契約期間の更新であっても、その都度、最新の労働条件通知書等の提出が必要となる

  時給改定、所定労働時間の変更、勤務日数の変更など、労働条件に変更があった場合は、必ず最新の書類を発行・保管する

●  契約更新の都度、本人にも被扶養者認定への影響を案内しておくとトラブル防止になる

まとめ

20264月以降は、被扶養者認定における年間収入の取扱いが見直され、労働契約の内容から年間収入が基準額未満と明らかな場合には、その内容をもとに判断しやすくなります。これにより、扶養に入れるかどうかの見通しは立てやすくなりますが、契約内容と実際の働き方が合っていることが前提です。

また、扶養の問題は130万円の壁だけで決まるわけではありません。次のような点もあわせて確認することが大切です。

  106万円の壁に当てはまらないか

  勤務先の規模はどうか

  週の労働時間はどのくらいか

  契約内容はどうなっているか

  一時的な収入増なのか、恒常的な収入増なのか

  19歳以上23歳未満の子どもの扶養に当たらないか

  給与以外の収入(年金・事業収入など)はないか

  複数の事業所で勤務していないか

  契約更新・条件変更時の書類は最新になっているか

 

制度を正しく理解しないまま働き方を決めてしまうと、本人にも会社にも思わぬ負担が生じることがあります。迷ったときは、早めに確認することが大切です。

※ 本記事は2026年5月時点の公表情報をもとに作成しています。最新の取扱いや個別具体的な判断については、加入されている健康保険組合・協会けんぽ、または当事務所までご確認ください。

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