「うちは人数が少ないから、有給まで回らなくて…」
医科・歯科クリニックの院長先生から、私たちがよくお聞きするお悩みのひとつが、年次有給休暇の”年5日”の取り扱いです。「制度は知っているけれど、少人数のシフトで全員に5日取ってもらうのは現実的に難しい」——そんな本音をよく伺います。
年5日の取得は、2019年の法改正で導入された仕組みです。年10日以上の有給が付与されるスタッフについて、会社が年5日の取得を進める役割を負う、という内容です。これはパート・非常勤であっても、勤続や勤務日数の条件を満たして10日以上付与される方には関わってきます——ここを見落としているクリニックは少なくない、というのが弊所の見解です。
私たちは広島・呉を拠点に、医科・歯科クリニックをはじめ医療機関の労務を数多くお手伝いしてきました。その現場から、少人数の医院でも無理なく年5日を回すための考え方を、弊所の見解としてお伝えします。
ポイント①:まず「誰が対象で、いつ付与か」を一覧にする
年5日の話は、スタッフごとの付与日と付与日数を把握するところから始まります。入社時期がバラバラなクリニックでは、付与日も人それぞれです。まずは常勤・パートを問わず、「誰にいつ何日付与されるか」を一覧にしておくと、対象者と管理の起点がはっきりします。
ここが曖昧なままだと、「気づいたら取得が進んでいなかった」という事態が起こりがちです。台帳(年次有給休暇管理簿)を整えておくことは、後々の確認のうえでも大切だと考えます。
ポイント②:計画的に日を”置きにいく”
少人数の職場では、スタッフの自主性に任せるだけだと、繁忙や遠慮でなかなか取得が進まないことがあります。そこで検討したいのが、あらかじめ取得日を割り振っておく進め方です。
例えば、休診日と組み合わせて連休をつくる、閑散期に順番に取ってもらう、といった形で計画的に日を置いておくと、現場を回しながら取得を進めやすくなります。就業規則にこうした取り扱い(計画的付与の枠組み)を定めておくと、院長先生の裁量任せにならず、スタッフも見通しを持てます。
ポイント③:シフトの”穴”を前提に組む
「1人休むと回らない」という状態そのものが、有給を取りにくくしている根っこです。ここは労務というより医院の体制づくりの話になりますが、応援可能な人員配置や、業務の相互カバーの仕組みを少しずつ整えておくと、有給取得のハードルは下がっていきます。
有給を取りやすい医院は、スタッフから「長く働ける職場だ」と受け止められやすく、定着にもつながる——これは、私たちが現場で感じているところです。
「義務だから」ではなく「働きやすさの土台」として
年5日の取得は、法令上の役割であると同時に、スタッフの働きやすさとクリニックの信頼を支える土台でもあります。制度への対応を入口にして、シフトや規程を一度点検されることを、弊所としてはおすすめします。
私たちは税理士業界で20年、経営と数字の現場を見てきた立場から、労務を「手間」ではなく「医院を守り、育てる打ち手」としてご提案しています。
まずは、現状を知るところから(無料)
「うちの就業規則、有給の取り扱いはいまの法律や現場に合っているだろうか?」——そう思われたら、まずは無料の診断で現状を整理しませんか。
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お預かりした規程を社会保険労務士が拝見し、通常3〜5営業日で診断レポートをメールでお返しします。診断は無料で、レポートをご覧いただくだけでも大丈夫です。しつこい営業はいたしません。
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よくある質問(FAQ)
Q. パートやアルバイトのスタッフにも「年5日」は関係ありますか?
勤続年数や勤務日数の条件を満たして年10日以上の有給が付与される方は、パート・非常勤でも対象になります。まずは常勤・パートを問わず「誰にいつ何日付与されるか」を一覧にして、対象者を把握するところから始めることをおすすめします。
Q. スタッフに任せていても有給の取得が進みません。どう進めればよいですか?
少人数の職場では、繁忙や遠慮で取得が進まないことがよくあります。休診日と組み合わせて連休をつくる、閑散期に順番に取ってもらうなど、あらかじめ取得日を割り振っておく進め方(計画的付与の枠組み)を就業規則に定めておくと、現場を回しながら取得を進めやすくなります。
Q. 年次有給休暇管理簿とは何ですか?
スタッフごとの有給の付与日・取得日・残日数などを記録しておく台帳です。誰がどれだけ取得できているかを把握する起点になり、後々の確認のうえでも整えておくことが大切だと考えます。
Q. 自院の有給の取り扱いがこのままで大丈夫か不安です。何から始めればよいですか?
まずは就業規則・有給の運用の現状把握からです。当事務所では医科・歯科クリニックの院長先生向けに無料診断を行っており、規程を拝見して通常3〜5営業日で診断レポートをメールでお返しします。
監修者
引地 昌(ひきじ まさし)/引地社会保険労務士事務所 代表・社会保険労務士
税理士業界で20年、経営と数字の現場を経験した後、社会保険労務士として開業。広島県を拠点に全国オンライン対応。「現場を知る社労士」として、経営者の右腕となる労務サポートを提供します。


